保険適応でレーザー治療可能な疾患

真皮メラノサイト系母斑

1.太田母斑

太田母斑

顔面に生後一年以内に発生する自然消退のない褐色~青色の色素斑です。眼球に発生する場合があります。思春期に増大したり、色が濃くなることもあります。
色の濃さや範囲など、程度には個人差があります。

太田母斑 左:治療前  右:7回治療後

レーザー治療には回数がかかります。3か月に1回の治療で、5-10回程度かかります。
レーザーで改善がはっきりと出る疾患の一つです。

2.遅発性両側性太田母斑(後天性真皮メラノサイトーシス)

遅発性両側性太田母斑

後天性真皮メラノサイト―シスとも呼ばれ、20歳以降の女性に発生し、こめかみ、頬骨部、まぶた、鼻翼に両側性に発生します。
色の濃さや範囲など、程度には個人差があります。

遅発性両側性太田母斑 上:治療前  下:3回治療後

レーザー治療には回数がかかります。3か月に1回の治療で、3-10回程度かかります。
こちらも同様にレーザーで改善がはっきりと出る疾患の一つです。

3.異所性蒙古斑

典型的な蒙古斑は、生まれつき臀部・仙骨部に分布し、小学生になるころくらいまでには消退します。しかし、他の部位に生じるものを異所性蒙古斑と呼び、成長とともに薄くなるものの、完全消退せずに残る場合もあります。
基本的に当院では、赤ちゃんの異所性蒙古斑の治療はお勧めしておりません。放置しておけば消えるものが、レーザーを照射することで余計に消えにくくなる可能性があるからです。思春期以降くらいまでレーザー治療せずに十分に待って、それでも残存したものがあれば治療する方が良いと考えています。

臨床上は、臀部の蒙古斑でも色が残ることがありますし、異所性蒙古斑で色が濃いものでも、ほとんどのものは自然に消えていく印象です。

どういったものが消えて、どういったものが残るというのは、乳児期に判断するのは難しいですが、体が小さくて蒙古斑も小さいうちにレーザー治療をしておいたほうがいいという先生もいらっしゃいます。

私は、できれば、治療せずに大きくなるまで待ってみた方が良いのではないかと思います。レーザー治療は痛みがあり、レーザー一発の照射サイズも3mm程度と小さいため、大きな色素斑にはかなりの数を照射する必要があります。小児では全身麻酔を行わないと治療は困難かと思われます。

小児で小さな色素斑であれば、どうしても、とのご希望があればテストで治療を行いますが、大きなものは基本的に当院では難しく、大学病院へ紹介させていただきます。

外傷性色素沈着症

何らかの、ケガなどの外的刺激の後に、皮膚に色素が長期にわたり沈着する状態です。

例えば、自転車でこけて、傷の中にアスファルトの砂や、砂利が入って、傷が治った後も完全には出きらず、それが残って色が残っている状態です。

傷跡に付随するものなので、レーザーで改善が乏しそうであれば手術治療も提案させていただく場合があります。

左:レーザー治療前  右:3回レーザー治療後

治療料金の目安

太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症の場合は保険適用となります。

部位・概算面積 3割負担の場合、概算
全顔・185cm2 34100円
~16cm2 7,100円
~64cm2 8,700円
64cm2~ 11,850円