粉瘤(フンリュウ)・表皮のう腫・アテローム・アテローマなどの呼び名があります。

ごくありふれた皮膚良性腫瘍です。粉瘤は痛み、発赤などの目立った症状がすぐに出てくることがないので、未治療のまま病院を受診しない方がほとんどです。時に感染して痛み、発赤、腫脹の合併を生じて初めて病院を受診される方が多いです。

粉瘤の原因・発生部位
皮膚が内側に巻き込み、袋を形成して、角質・アカを袋の中に溜め込む腫瘍です。あらゆる年齢にでき、皮膚があるところはどこにでも発生する可能性があります。生まれつきのものもあります。

粉瘤の症状
隆起して、臭い・腐臭を伴う事があります。一般的に良性疾患なので急激に増大することはなく、徐々に大きくなっていきますが、感染すると、腫れて急速に大きくなり、疼痛を伴います。


感染した場合
小さなしこりであった粉瘤が炎症のため大きくなり、2~3倍の大きさになります。付着する菌にもよりますが、痛み、発赤が生じるため、病院での治療が必須となります。

治療
根治的には手術を行い、取り除くしかありません。感染した場合、抗生剤の内服のみで様子を見ることもありますが、当然、袋は残っていますので、放置すれば増大します。

手術1:くり抜き法

よほど大きいもの、感染性癒着が激しいもの以外はこちらで治療します。
傷跡が目立たなく、小さい穴(2-4mm程度)で切除できます。

手術当日から入浴できます。日々の処置は軟膏と小さな絆創膏のみで、ご自宅で処置をしてもらいます。およそ10日~2週間程度で治癒します。

手術2:単純切除

大きい場合、癒着が多そうな場合、過去の傷跡などと一緒に取りたい場合などに行います。縫合が必要です。

当日からシャワー浴は可能です。日々の処置は軟膏と絆創膏のみで、ご自宅で処置をしてもらいます。5日~1週間で抜糸を行います。