後療法について
術後や、外傷後の傷痕がキレイに治るように行う後療法について。
後療法とは
形成外科には、手術の傷跡や、ケガの傷跡の治療に後療法というものがあります。
傷跡はリモデリング期間というものがあり、発生してから完全に安定するまでに少なくとも3-6ヶ月かかります。その間、体質によっては、放置すると傷跡が盛り上がったり、うねった様な痕になったり、抜糸直後はきれいでも、後から太いキズになってきたり、そういうことが起きる場合があります。
そのリモデリング期間にキズを安静に保ち、広がらないようにする固定が必要です。
この後療法という考え方が、形成外科の瘢痕に対するリテラシーの中心であると思います。
来院時、受傷後1ヶ月の状態。
瘢痕は硬く、盛り上がった状態で、押すと痛みが有ります。
写真では分かりませんが、引きつれも有り、動きが不自然な状態です。
外傷後、信じられないぐらい荒く縫われて、硬く盛り上がった傷跡になってしまっていても、後療法を続ける事で、手術的な治療をほとんどしなくても改善することが出来ます。もちろん、手術を追加しなくてはならない場合もあります。
また、現在は、フラクショナル治療が発達していますので、レーザーでより自然な仕上がりにする事が出来ます。
当院では基本的に、この後療法を重点的に行います。切って縫って終わり、ではありません。そのため、体質にもよりますが、基本的には傷跡が安定し、後療法が必要無いと判断されるまで、治療を継続していただく必要があり、継続して来院されるのが難しく、手術する意義が無いと判断される場合は、手術をお断りさせていただく事があります。