当院で行う形成外科の手術の内容は、局所麻酔で当日日帰り手術の範囲です。

皮膚腫瘍の除去
皮膚がんや良性の皮膚腫瘍など、小さな皮膚の異常を局所麻酔で除去し、必要に応じて病理検査を行います。局所麻酔で出来ない程度の大きなもの、一時閉鎖できない大きなものに関しては、大学病院や基幹病院への受診をお願いします。

目の周りの手術
例えば、眼瞼下垂手術や内反症手術です。バランスの調整が必要な手術は、基本的には意識が無くなる全身麻酔の手術では行えません。

傷跡修正
一時閉鎖可能な傷跡や火傷の後遺症の修正を行います。これには、レーザー治療やフラクショナル治療、瘢痕拘縮形成術などが含まれます。

先天性異常の小規模な修正
局所麻酔で治療可能な程度の先天性異常の修正手術も行います。例えば、先天性眼瞼内反症、先天性の母斑症の手術などです。

非侵襲的治療
レーザー治療、フラクショナルRF治療、光療法、皮膚再生療法などの非侵襲的な治療オプションも提供しています。

これらの手術や処置は、全身麻酔を必要とせず、クリニック内で安全かつ効果的に行われます。クリニックで行う形成外科診療は、患者さんの快適さと便利さを重視し、病院での入院が必要ない小規模な手術に特化しています。基本的には、手術後すぐに日常生活に戻れる治療がほとんどです。

手術のリスクについて

手術は、美容皮膚科の施術やエステの施術と全く異なります。手術を受けられる場合は、必ずリスクが伴います。全ての方にリスクが伴うわけではありませんが、起こりうる以下のリスクについて十分ご承知おきください。

  1. 出血、血腫、出血斑ができることがあります。 ⇒出血、血腫についてはすぐに対応いたします。腫れ、出血斑は自然に消えます。
  2. 感染が起こることがあります。 ⇒クリニック内の環境整備には十分に注意しております。現在までクリニックの環境が原因で感染を起こした事例はありません。感染が発生したら、抗生物質の内服・点滴等の処置を行います。
  3. ケロイド・肥厚性瘢痕が発生することがあります。また段差が生じることがあります。 ⇒手術の痕の傷跡は治癒の過程で赤くなったり、盛り上がることがあります。これらは通常は数か月かけて改善します。段差は縫合部に加わる力によって発症します。このような傷跡が残った場合は、肥厚性瘢痕の切除術や、瘢痕拘縮形成術が選択の一つになります。ケロイド体質の方では特に傷痕が盛り上がりやすいです。
  4. 左右差が生じることがあります。 ⇒左右どちらかだけの手術であれば、基本的に左右差は生じます。また、両側の手術の場合は、もともとの左右差をできるだけ無くすように配慮して手術を行いますが、完全に左右差が無くなることは難しいとご説明しています。
  5. 手術中に予期せず方法を変更せざるを得ないことがあります。 ⇒術前の検査や診察を行い、検討を行いますので変更は少ないですが、変更の可能性がある場合は事前にご説明しております。
  6. 中の糸が出てくることがあります。 ⇒形成外科では傷が目立たなくなるようにほとんどの場合で真皮縫合という中縫いを行います。処置を行いますので、あまり触らずにお越しください。
  7. 瘢痕(傷あと)ができます。 ⇒手術ではメスを入れますので、必ず傷跡は発生します。できるだけ目立たないように手術を行い、更に瘢痕を最小限に抑えるよう術後のケアとして後療法※をしっかり行っていただきますが、それでも体質により瘢痕が多く残る方がいます。

※後療法とは

手術についてQ&A

Q1. 日帰り手術ですか?
 A はい、日帰り手術です。
当院には入院設備がございませんので、入院がご希望でも、入院できません。

Q2. 痛いですか?局所麻酔ですか?
 A 手術部位近くに全体的に注射で局所麻酔を行います。出来るだけ痛くないように注入しますが、針をさすことと、麻酔の薬液自体が注入時に痛みを伴うため、痛みはあると思います。
細い針を使用したり、薬液の痛みが少なくなるようにpHを調整したりしています。
また、術後は痛み止めをお渡ししますので、痛みが出そうなら早めに服用してください。

Q3. お風呂は入れますか?
 A 基本的に家のお風呂でしたら、入っていただいてもかまいません。
当日は禁止、当日はシャワー、など、その都度指示が出ると思います。
ほとんどの手術で、洗髪、シャワーの制限が出ることはありません。

Q4. 手術のあと、消毒に毎日通いますか?
 A 通常、手術後に来院していただくのは基本的には1週間後です。
それまでは、入浴後にご自分で軟膏を塗布していただき、絆創膏を貼っていただきます。
抜糸は通常1週間後に行います。部位により、2-3週間後に抜糸することもあります。

Q5. 化膿しやすい体質なんですが、大丈夫ですか?
 A 手術の方法により、術後は抗生剤を内服していただきます。軟膏にも抗生剤が含まれています。
 特に術後、化膿することは少ないですが、何かあれば早めに来院してください。

Q6. 術後はどれくらい通いますか?
 A 形成外科では、出来るだけきれいに治るように傷跡の治療に重点を置いています。
後療法といいますが、テープ固定や圧迫固定などを3-6ヶ月程度行う事があります。
その間、月1回程度来院していただく事になると思われます。

Q7. 傷跡は残りますか?
 A どのような方法であれ、体にメスを入れると必ずキズが残ります。形成外科は出来るだけ傷跡が目立たないように努力する診療科です。それでも現在の医学で傷跡をゼロにする事は不可能です。また、傷跡の残り方も体質によるところが大きいです。過去の傷跡があれば事前に見せていただくと参考になります。

Q8. ケロイドになりやすいのですが大丈夫ですか?
 A ケロイド体質の場合、かなり慎重に治療を行う必要があります。
特に厳重な後療法を行います。内服治療が必要な場合もあります。
また、術後の傷がケロイド化する事がありますので、治療が長引く可能性もあります。
ケロイド体質の場合は、必ず、お伝えいただくようにお願いします。
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※その他何か質問がございましたら、ドクター・スタッフに遠慮なくご相談ください。

手術をお断りする場合

形成外科として、手術を行う際には、傷跡が出来るだけ目立たないように留意しておりますが、体にメスを入れる以上、傷は必ず残ります。特に良性疾患で、必ずしも切除の必要がない場合に、極度に傷跡について気にされる場合は、手術をお断りする場合がございます。
 
手術を行うと、術後数日以内に来院していただく必要があります。特に縫合を行うと抜糸をする必要があります。また、術後の傷跡がきれいに治るように後療法というものを行うため、その後も月1回程度の通院が必要になります。良性疾患で、必ずしも切除の必要がない場合で、遠方の患者様や、仕事にて通院困難な患者様で、術後の来院が見込まれない場合は、手術をお断りする場合があります。
 
妊娠中、授乳中、その他、術後に必要な投薬が出来ない場合や、手術の結果に重大な影響を及ぼすような疾患をお持ちの場合、手術をお断りする場合があります。

 幼少児等で、泣いたり、暴れたりで、デリケートな形成外科手術が出来ないと判断される場合、手術をお断りしております。全身麻酔下で治療できる病院へ受診していただいております。