ひきつれた傷痕は痛みや痒みを伴ったり、可動制限が出たり、見た目に目立ったり、日常生活に支障をきたします。

形成外科は、ひきつれた(拘縮)傷痕(瘢痕)を手術的に切除・入れ替えを行う、瘢痕拘縮形成術を行う専門科です。

傷痕の形、場所、大きさにより、十数種類ある基本的な入れ替えのデザインを組み合させて行い、一つとして同じ手術はありませんが、傷の出来上がりは、真っ直ぐではなく、ジグザグの出来上がりになります。

手術例

術後について

術後は、半年程度、しっかりと固定をする必要があります。場合によってはコルセットなどで関節の可動域を制限するような事を行い、治癒するまでは傷に負担がかからないようにします。

後療法について

①テープ固定:茶色のスキントーンテープというものを用いて、抜糸した後にキズを引き寄せ、固定します。(減張作用)

②圧迫剤の貼付:肌色に近い色のハイドロコロイド剤というものを貼付して、圧迫を行います。(圧迫・安静作用)
その他、スポンジの貼付や、コルセット固定など、厳格に安静が必要な場合もあります。
 腹部の傷跡の場合は、ガードルなどでお腹のお肉を中央に寄せるようにして固定する場合もあります。(減張・安静作用)

後療法の期間の目安は、3-6ヶ月といわれておりますが、部位や体質により、期間が大幅に変わる事があります。傷跡がやわらかくなり、白色瘢痕に変わっていれば、後療法を中止します。